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 吠える騒ぐ近所迷惑な犬。

 問題犬の相談が寄せられる中で一番多いのは吠えて騒ぐご近所迷惑な犬です。
それらの飼い主さん達は、決まって「何故、吠える?」「何故、言う事聞かない?」と
問い掛けます。健康な犬なら、声が出せれば吠えます。ですから吠えるのは当然の
ことと云っても、それではその問題解決とはなりません。吠えてご近所からの苦情を
抱えて困惑している飼い主さんを思えば、犬は吠えます吠える生き物です。などと .
他人ごとのように言えません。しかし、そうした問題犬のこれからの対応を考えれば
あえて他人ごととして冷たく「五月蝿く吠える犬に誰がした?」と苦言を飼い主さんに
                                      呈したいと思います。
 単に吠えると云っても犬にとっては、体調が悪い時、危険を知らせる時、恐怖に怯え
ている時、ライバル(嫌な奴)が近づいて来た時等は吠えるのは当然と思わねばなり
ません。それとは異なる迷惑な無駄吠えと思われる犬の生活環境(犬の居場所)を
見るに、次のような状況に置かれた犬達に多くの問題犬の相談が寄せられます。 .

@玄関先に繋がれている犬
A庭で放し飼いの犬    .
       B室内でサークル内で飼われている犬
これらの状況での犬達が迷惑犬として相談が寄せられます。こうした犬はただ吠え
るだけでなく、やがて咬む犬、すでに咬んだことのある犬なのです。          .
こうした生活環境での犬達への飼い主さん達の問い掛けの「何故、吠える」に対して
「あなたが吠える犬にしたのです。」が答えです。ご近所からの苦情を抱え困惑して
いる飼い主さんに対して、それは無いだろうとお思いでしょうが、このきつい一言は
本当に困惑しているのは吠えている犬達なのだと知れば納得されるでしょう。   .
 飼い主さんはその厄介な愛犬に「何故、言う事聞かない。」には、「聞かないではない
 聞けぬ。」のです。飼い犬(愛犬)の方も「こんなに吠えいるのに何故聞かぬ。」と同じ
 思いなのです。飼い主と愛犬との主従の親和の関係が成り立っていないのです。 .
 そこで「何故、言う事聞かない。」から「何故、聞けない。」に変えて考えてみましょう。
 
 まず、玄関の犬ですが、玄関は家族だけでなく犬の知らない訪問者もやって来ます。
玄関はほとんどが通りに近く、常に通り行く気配を感じられる場所でもあります。そして
不意の侵入者があるかもしれません。犬にとっては不安で警戒を常にしなくてはならぬ
場所でもあるのです。何かの近づく気配に警戒と防衛、必要に応じての攻撃、身構える
 緊張の繰り返しは大変なストレスとなります。でも、気配に怯えての叫びは飼い主に届
 かぬのです。しかも犬は繋がれた状態です、逃げることも出来ず戦うには不利な事態に
 犬は混乱します。移動できる動物にとって逃げることは生存への大切な能力です。それ
 を奪われているのです。犬への昔からの言い伝えに「玄関先に犬を繋ぎ置けば3日もせ
 ぬうちに吠えるようになり7日も経てば立派な番犬となる。」と言われてます。犬を良く知
る人は繋がれた犬には近づきません。咬む犬が多いのです。スペーシングの機構の
無視は思わぬ攻撃を受けます。こうした状態の犬は知らない人の接近は不快なことな
のです。特にこの場合繋がれている状態では、異なる種の接近に対しての逃走距離
におけるトラブルを避ける脅威を感じれば逃げるの方法が使えず、即座の逃走距離帯
での反転、攻撃となるのです。攻撃力の弱い臆病な犬は悲劇的な事態となっていると
思ってください。当然これらの犬達は、安らぐ場所も時間も無いのです。眠れぬ日々を
                                       過ごしているのです。

庭での放し飼いの犬よく吠えています。自由に庭を駆け巡り元気なのですか?よく見
ると、通る人近づく人、散歩の犬、自転車、自動二輪車、色々の気配に反応して吠えて
います。昔からの諺に「垣根越しの犬よく吠える。」とあります。その通り現実にも、よく
吠えています。けれど諺の意味は「空威張り、五月蝿い奴。」のことで垣根に守られた
中だから吠えるのであって無視される存在なのですが、現実の庭で吠えてる犬は、そ
の垣根は犬にとっては何の役目にもならぬものです。迫りくる侵入者はこんな垣根いと
も簡単に突き破ってくると怯えます。この庭には守ってくれるもの誰もいない不安は次々
と迫りくる気配に掻き立てられ怯えそれらに威嚇し吠え続けるのです。広い庭や家を守
る気力も体力も無い犬には此の場所は大変な負担です。必死に警戒と防衛、攻撃をと
頑張る庭の犬もまた、玄関の犬と同様にスペーシングの機構の侵犯に困惑しているの
です。垣根は逃走距離帯に当たるものでしょう。試しに吠える犬の垣根から手を入れて
見てください、きっと咬まれます。咬む気力の無い犬は一層怯えて激しく吠え続けること
                                              でしょう。

室内でサークルの中で吠え続けている犬は、何を訴えているのでしょうか?色々用件は
あるでしょう。飼い主さんは心得ています。でも聞けぬ用件もあり、のべつ幕なし次々の
要求はほとほと愛犬家の飼い主さんでも困り果てます。でも、吠え続けて止めません。
吠えれば誰かが来てくれるを、しっかり学習した結果、吠えて呼びつけるのです。   .
サークルで飼うこととなった理由は何だったでしょうか?誰がここが犬の居場所と決めた
のでしょうか。犬のお部屋としたのでしょうか。犬の為に、ここを良しとしたのでしょうか。
サークルの置き場は、リビング、あるいは玄関、贅沢に空き部屋など、兎に角、家族が
集まり犬に接しやすいところに置かれています。家族の皆様がよく見れるところです。 .
そうした環境の中で家族と接しそれらの行動から学習して吠える犬となりました。皆様
とても優しく我侭を許してくれます。はしゃぎ過ぎても叱られたりしません。色々の要求を
満たしてくれます。いつか自分が一番偉い者だと思うようになりました。よく見るとこの .
家族は皆優しくて上下隔たりの無い自由で平等な争いのない平和な家庭です。だから
強いリーダーがいないと気づきます。ならば偉い我こそはリーダーでなくてはと思うよう
になるのは当然です。権勢の犬の登場となります。呼びつける学習に続いての悪癖で
す。やがて吠えるだけでなく咬む犬となります。                       .
サークルの中にやすらぐ所がありますか?トイレと寝室と一緒のような所で常に不快な
接触に悩まされ、それでやすらぐことが出来るでしょうか。ここで静かに眠れますか。 .

以上が、吠えて困る相談者の犬達のよくある置かれた環境や状況の事例です。いずれ
も共通して言える事は、静かな落ち着いたやすらぐ所が無いと云うことです。そうした所
                            で生活を余儀なくさせられているのです。
犬は人に飼われて犬と呼ばれ、人との長い生活の歴史があります。犬は人から生活の
場を与えられ生き続けて来ました。犬の幸せは人から与えられた環境に伴います。良い
犬、悪い犬、何れも人がそのようにしたのです。犬は人のように言葉は使えません。理解
出来ません。しかし、人と伴に経験し、学習しているのです。困った犬の置かれた環境を
                                   状況を考え改善して下さい。

     今日も、眠れぬ犬が吠えています。

                                      ・・・・・・・・・・・・以上。


  追記、映画「犬と私の10の約束。」の感動的なお話から、あなたも、愛犬に10の約束を誓う前に
あなたの愛犬に3っつのお願いをしたら如何でしょうか。1、吠えるな 2、咬むな 3、暴れるな。
                     それを聞き届けてくれたなら、10の約束を守る愛犬家になlりましょう。




           富士山  44b  



                                 

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